


3月7日(金)ムンド校において、日本の通信制高校であるウェルネス高等学校卒業証書授与式を執り行いました。
本校は、2011年にウェルネス高校と提携を結び、ムンド・デ・アレグリア学校がウェルネス高校浜松キャンパスとしても機能しています。そして、今年度浜松キャンパスから卒業生第1号が無事卒業を果たしました。
卒業した生徒は、ペルー人の男子生徒です。ペルーでは、本国の教育課程が11年課程であるため、本校を卒業して日本の専門学校・大学に進学したい場合でも、日本の12年課程教育に1年足りないので、すぐに進学が叶いません。そこで、ペルー人生徒の日本での進学を叶えるため、ウェルネス高校と提携させていただきました。これにより、日本での進学希望者は、ペルー課程においてきちんと母語教育を受けながら、同時に日本の教育課程を通信で学べる体制が整い、日本での進学の可能性が一段と高くなりました。そして、今年度、初めてのウェルネス高校卒業生が出て、彼は4月よりトヨタ自動車大学校で日本人と机を並べて勉強し、自動車整備士を目指します。
3月7日にウェルネス高校本部で実施された卒業証書授与式に合わせ、浜松キャンパスでもささやかではありますが、彼の門出を祝う式を執り行いました。地元企業の方々にも来賓としてご出席いただき、ムンド校生徒の見守る中、卒業証書が授与されました。卒業証書を手にした彼は、ペルー課程と日本課程の勉強を両立させ、両課程の卒業を果たしたことで大きな自信に繋がったのかその日の彼は一段と大きく見えました。
本校では、いわゆる日系人の出稼ぎ労働者の子弟が在籍しています。就労目的での在日のため、在日期間が定まっておらず、就労状況により、日本と本国、日本国内を移動することが頻繁になされます。そのような状況の子どもたちですから、将来、進学を希望しても、それが、日本なのか本国なのかわからない状況で勉強を続けなければなりません。本校は、母語教育を実施している外国人学校ではありますが、このような子どもたちの状況を考慮し、将来、本国でも日本でも進学が叶うように母語教育はもちろんのこと日本語教育にも力を入れています。今回のウェルネス高校の卒業は、本校が目指す教育が一つの実を結び、教職員一同感慨深い卒業式となりました。卒業式での彼の姿を見て、次に続く後輩たちが多く出てきてくれることを願います。