


多言語絵本作成プロジェクト
ムンド校では、日本語能力のある外国人と大学生との交流を進めています。国籍は違っても将来日本社会を担っていく可能性のある人達に、協働できる活動や場を提供することで、外国人はさらに日本語能力を磨き、日本人は異文化理解・多文化共生等、机上の勉強だけでなく、実際に体験・活動しながら学習を深めていく。そして、日本語教育に関しては、日本人から外国人への支援ではなく、日本語能力のある外国人が同国の日本語学習を必要としている人たちを支えていくことを目指しています。
静岡県立大学国際関係学部の学生さんとは平成24年より「県大ムンド交流」と名付け、交流を続けています。この多言語絵本作成については、県大ムンド交流の中で日本語教育に興味を持った学生さんが立案、日本語能力のあるブラジル人・ペルー人が協力し作成されたものです。
以下、絵本プロジェクトを成功させた学生さんからのメッセージを紹介します。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
静岡県立大学2015年度卒業生 山下佳那子
1.多言語絵本とは
この絵本は、静岡県浜松市にある南米系外国人学校、学校法人ムンド・デ・アレグリア学校の高校生4人と静岡県立大学の学生が2013年1月からおよそ1年かけて制作したものです。絵本は、生徒たちの母国であるブラジルとペルーを題材にした物語で、ポルトガル語と日本語、スペイン語と日本語がそれぞれ併記してあります。題材選びから、翻訳、描画、色塗り、清書まで、すべて生徒たちと試行錯誤しながら完成までたどりつきました。この絵本を制作した目的は3つあります。
1.生徒たちのバイリンガル能力を生かす機会をつくること
2.生徒たちの母国の物語、文化、言葉を日本人に伝えること
3.外国人児童たちが、母文化と母語・日本語を学ぶこと
これらの目的とともに、生徒たちの努力を多くの人に伝えることができれば幸いです。
2.物語のあらすじ
「悪魔を騙した女」ペルー
とても貧しい生活をしている女、マリアは、豊かな暮らしを手に入れたくて、悪魔と契約をする。悪魔はマリアの魂をもらうことを条件に、しばらくの間、マリアが豊かに暮らせることを約束する。契約のおかげで金持ちになったマリアだが、やがてこの生活を手放すことが惜しくなる。そして悪魔に魂を奪われないよう、マリアはある行動をとる。
http://sei-syou.com/e-book/yk/akumawodamashitaonna/
「Rio」ブラジル
アマゾンの森に、アララ・アズルという種類の鳥の赤ちゃんがいた。名前は「ブルー」。ブルーは、木から落ちて怪我をしてしまい、飛べなくなった。そして、突然現れた鳥泥棒にさらわれてしまい、アメリカに送られてしまう。そこで、ある少女とともに暮らすが、大人になってからブラジルに還ることになった。一羽のメス、「チェリー」と出会い恋をするが、また鳥泥棒にさらわれてしまう。ブルーとチェリーは、どうやってこの危機を乗り越えるのか。
http://sei-syou.com/e-book/yk/rio/
3.これまでの活動
・2013年11月26日、ムンド校文化祭にて読み聞かせ
・2014年8月23日、名古屋で行われたイベント「絵本のひろば」にて読み聞かせ