


2013年第1回日本語能力試験の合格発表が行われました。毎回合格発表は、受験者本人よりも教員の方が緊張しますが、今回の合格は、私たち教員にとっても特別な合格発表でした。
今回合格を果たしたブラジル高等部3年のカイヤ・ラファエル(N1合格)、大塚イベンス(N2合格)は、日本の学校への通学経験がありません。浜松では、ブラジル人・ペルー人が多く在住しているため、特に日本語ができなくても生活できる環境にあります。ですから、外国人学校に在籍している生徒は、日本語を学べる環境がなければ、また、本人が日本語を学びたいという強い意志がなければ、日本語能力は身に付きません。今回合格を果たしたラファエルは小学校からムンド校に在籍し、ムンド校で一から日本語を勉強してきました。彼は、小学校時代から日本語能力試験に挑戦し、一歩一歩努力を重ね、5級、4級、3級、N2と階段を上り、遂に今回のN1合格を果たしました。小学校時代から彼を見ている私たち教員にとって、今回の彼の合格は何よりもうれしいものとなりました。
また、N2合格を果たしたイベンスは、2008年のリーマンショック時、両親の失業により、学費の支払いができず、当時通学していたブラジル人学校を辞めざるを得なくなり、1年余り不就学の時期がありました。その後、縁あって本校に編入し、日本語学習を始めました。そして今回N2合格を勝ち取ったのです。中学の多感な時期に1年の不就学期間がありながら、それに負けることなく日本での進学を目指して、これまで勉強を続け、今回一つの結果を残すことができました。
今回の合格者は
N1 1名
N2 3名
N3 1名
N4 1名でした。
外国人学校で母語力・学力を付け、さらに日本での進学・就職のために日本語能力を付加するという本校の教育理念が少しずつ実を結びつつあります。将来、母国と日本の架け橋となる人材になれるように、これからも一歩一歩前に進んで行ってほしいと思います。